審美歯科、夫の歯がセラミックになるまで

肺がんの治療法を主治医に相談中の夫が、急に奥歯が痛いと言い出しました。夫は20年以上歯医者に通っていませんでした。「虫歯かもしれないね」なんて軽い気持ちで久しぶりに歯医者へ行ったらとんでもないことになっていました。

過去に治療した銀歯の下が神経まで蝕む虫歯になっていて、それがなにかのきっかけで傷みだしたのです。すぐに治療に入りましたが、根が深く、数か月もかかるうえに毎回とてつもない苦痛が伴う治療でした。歯を掘り、歯茎も掘り、神経を抜き、特殊な素材で神経の穴を塞ぎ、人工歯を被せるという内容でした。根っこの治療は麻酔をしても、全然効かないので、実質麻酔なしで、歯茎を抉られているので、夫は治療の度に泣きながら帰宅しました。

そしてやっと最後の行程である人工歯を選ぶ段階になったときに選択肢が三つありました。それは安価な銀歯を被せるか、高価なプラスチック歯を被せるか、さらに高価なセラミック歯を被せるかでした。銀歯は熱や衝撃に弱く変形しやすいので、破損個所から菌が入り込み、今回のような虫歯になる可能性があったので、選択肢から排除しました。残り二つですが、一番丈夫で長持ちなのがセラミック歯だったので、それに決めました。1本約8万円でした。しかし、泣きながら帰ってくる夫の姿を見ると、ダメとは言えませんでした。そんなこんなで夫は奥歯の一本だけ審美歯科の治療を施されました。

事前にネットでセラミック歯の画像を見たら、陶器のように透明感があり、いかにも白い歯です!という感じでしたが、実際に夫の歯を見ると、周りの歯より少し綺麗な歯という印象でした。これが奥歯だったので、目立ちませんでしたが、もし前歯だったらまた印象が変わっていたかもしれません。夫は虫歯からの審美歯科でしたが、もし金銭的に余裕があれば、なめらかでつややかで、丈夫で長持ちなので、セラミック歯にしてみたいと思いました。